2026/08/19
マンションの長期修繕計画と修繕積立金

今回は、マンションの「長期修繕計画と修繕積立金」についてお話しします。
マンションを長く快適に維持していくためには、建物や設備の劣化に合わせて、計画的に修繕を行うことが大切です。
そこで重要になるのが「長期修繕計画」です。
長期修繕計画とは?
長期修繕計画とは、マンションを良好な状態に保つために、「いつ頃、どの部分を、どのように修繕するのか」をあらかじめ計画しておくものです。
この計画をもとに、将来必要となる修繕工事の費用を見込み、毎月の「修繕積立金」が設定されます。
国土交通省が作成した「マンション標準管理規約」では、長期修繕計画について、以下のような考え方が示されています。
- 計画期間が30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とすること
- 計画修繕の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え、窓及び玄関扉等の開口部の改良等が掲げられ、各部位ごとに修繕周期、工事金額等が定められているものであること。
- 全体の工事金額が定められたものであること。
- 長期修繕計画の内容については定期的な見直しをすることが必要である。
このように、長期修繕計画は一度作成したら終わりではなく、建物の状態や工事費の変動などを踏まえて、定期的に見直していくことが重要です。
長期修繕計画が重要になった背景
現在では当たり前のように考えられている長期修繕計画ですが、その考え方が広く認識され始めたのは1980年頃からといわれています。
当時は長期修繕計画の普及率が低く、修繕積立金も現在と比べて低額に設定されているケースが多くありました。
しかし、実際に外壁などの大規模修繕工事を行う段階になると、必要な工事費用に対して修繕積立金が不足するという問題が発生しました。
こうした経験から、将来必要となる修繕工事をあらかじめ想定し、計画的に資金を準備しておくことの重要性が認識されるようになりました。
「修繕積立金の値上げが必要」と言われるのはなぜ?
現在でも、マンションの管理組合では「突然、管理会社から修繕積立金の値上げが必要だと言われた」というケースが少なくありません。
その背景には、マンションの販売時に購入しやすく見せるため、修繕積立金が低く設定されているケースなどが考えられます。
また、長期修繕計画を確認すると、将来の工事費用や修繕周期が実際の状況に対して適切なのか、検討が必要な場合もあります。
例えば、工事単価が高めに設定されていたり、修繕周期が短く設定されていたりすると、長期的に見た修繕費用が大きくなり、結果として修繕積立金の値上げが必要になることがあります。
もちろん、建物の状態や資材価格、人件費などによって必要な修繕費用は変わります。
そのため、単純に「修繕積立金が高い・安い」と判断するのではなく、その金額が本当に必要なのかを確認することが大切です。
「本当に必要な工事なのか」を確認する
大規模修繕工事の見積金額が、修繕積立金の大部分、あるいはほぼ全額を使い切るような金額だった場合には、工事の範囲や内容、予算について一度確認してみることをおすすめします。
「なぜこの工事が必要なのか?」
「工事の範囲は適切なのか?」
「この工事費用は妥当なのか?」
こうした点を確認することで、不要な工事を減らしたり、工事内容を見直したりできる可能性があります。
特に、管理組合の理事になると、建物の修繕だけでなく、長期修繕計画や修繕積立金、大規模修繕工事の内容について判断しなければならず、頭を悩ませることも多いのではないでしょうか。
そのような場合には、第三者の立場から長期修繕計画や工事内容についてアドバイスできる専門家に相談することも重要です。
※※こちらのコラムは過去のナグラ便り(お客様向けフリーペーパー)の記事を再編集して掲載しています※※



